Classici giapponesi con furigana
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おんなけいず
婦系図
泉 鏡花
Leggi 婦系図 (おんなけいず) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 172.760 caratteri · 343 schermate
と目笊は流へ。お蔦は立直って腰障子へ手をかけたが、溝の上に背伸をして、今度は気構えて勿体らしく酸漿をクウと鳴らすと、言合せたようにコロコロコロ。
「ね、可愛いだろう。」
カタカタカタ!
「蛙だ、蛙だ。はははは、こいつア可い。なるほど蔦ちゃんの情人かも知れねえ。」
「朧月夜の色なんだよ。」
得意らしく済ました顔は、柳に対して花やかである。
「畜生め、拝んでやれ。」
と好事に蹲込んで、溝板を取ろうとする、め組は手品の玉手箱の蓋を開ける手つきなり。
「お止しよ、遁げるから、」
と言う処へ、しとやかに、階子段を下りる音。トタンに井戸端で、ざあと鳴ったは、柳の枝に風ならず、長閑に釣瓶を覆したのである。
見知越
五
続いてドンドン粗略に下りたのは、名を主税という、当家、早瀬の主人で、直ぐに玄関に声が聞える。
「失礼、河野さんに……また……お遊びに。さようなら。……」
格子戸の音がしたのは、客が外へ出たのである。その時、お蔦の留めるのも聞かないで、溝なる連弾を見届けようと、やにわにその蓋を払っため組は、蛙の形も認めない先に、お蔦がすっと身を退いて、腰障子の蔭へ立隠れをしたので、ああ、落人でもないに気の毒だ、と思って、客はどんな人間だろうと、格子から今出た処を透かして見る。