Classici giapponesi con furigana
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おんなけいず
婦系図
泉 鏡花
Leggi 婦系図 (おんなけいず) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 172.760 caratteri · 343 schermate
四十五
その時、眼光稲妻のごとく左右を射て、
「何を愚図々々しているんだ。」
「私がお願いでござんすから、」と小芳は胸の躍るのを、片手で密と圧えながら、
「ともかくも今夜の処は、早瀬さんを帰して上げて下さいまし。そうしてよく考えさして、更めてお返事をお聞きなすって下さいましな、後生ですわ、貴郎。
ねえ、早瀬さん、そうなさいよ。先生も、こんなに仰有るんですから、貴下もよく御分別をなさいまし、ここは私が身にかえてお預り申しますから。よ……」
と促がされても立ちかねる、主税は後を憂慮うのである。
「蔦吉さんが、どんなに何したって、私が知らない顔をしていれば可かったのですけれど、思う事は誰も同一だと、私、」
と襟に頤深く、迫った呼吸の早口に、
「身につまされたもんだから、とうとうこんな事にしてしまって、元はと云えば……」
「そんな、貴女が悪いなんて、そんな事があるもんですか。」
と酒井の前を庇う気で、肩に力味を入れて云ったが、続いて言おうとする、
(貴女がお世話なさいませんでも……)の以下は、怪しからず、と心着いて、ハッとまた小さくなった。
「いいえ、私が悪いんです。