Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おんなけいず

婦系図

泉 鏡花

Leggi 婦系図 (おんなけいず) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 172.760 caratteri · 343 schermate

Aozora Bunko

時々病人の部屋が寂とするごとに、隣の女連の中へ、四ツ這に顔を出して、

(死んだか、)と聞いて、女房のお増に流眄にかけられ、

(まだか、)と問うて、また睨めつけられ、苦笑いをしては引込んで控えたのが――大先生の前なり、やがて仏になる人の枕許、謹しんで這って出て、ひょいと立上って蛍籠を外すと、居すくまった腰が据らず、ひょろり、で、ドンと縁へ尻餅。魂が砕けたように、胸へ乱れて、颯と光った、籠の蛍に、ハット思う処を、

「何ですね、お前さん、」

と鼻声になっている女房に剣呑を食って、慌てて遁込む。

この物音に、お蔦はまたぱっちりと目をいて、心細く、寂しげに、枕を酒井に擦寄せると……

「皆居る、寂しくはないよ。しかしどうだい。早瀬が来たら、誰も次の室へ行って貰って、こうやって、二人許りで、言いたいことがあるだろう。致方が無い断念めな。断念めて――己を早瀬だと思え。世界に二人と無い夫だと思え。早瀬より豪い男だ。学問も出来る、名も高い、腕も有る、あれよりは年も上だ。脊も高い、腹も確だ、声も大い、酒も強い、借金も多い、男振もあれより増だ。女房もあり、情婦もあり、娘も有る。