Classici giapponesi con furigana
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よめとりにだいき
嫁取り二代記
山本 周五郎
Leggi 嫁取り二代記 (よめとりにだいき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.763 caratteri · 23 schermate
とすばらしい気合で切込んだ、「実に気の毒な身上の者なんです、生れ落ちるとから両親の顔も知らず、陋巷の塵にまみれて世にありとあらゆる辛酸を嘗め、今また泥沼の底へ沈もうとしているのです、ぜひ」
「駄目だ駄目だ、ならんぞ」
勘兵衛は大声に遮った、「どうも先刻から変にごまを磨ると思ったら果してこれだ。ならん! もう貴様には騙されん、理由の如何を問わず鐚一文出さぬからそう思え」
「金子を頂こうとは申しません」
「――――?」
「屋敷へ引取って頂きたいのです」
勘兵衛は甥の顔を横目で見た。これまで度々この手で丸められているのだ、金は要らぬなどと云っても迂濶に安心はできない。
「屋敷へ引取れ……と云って、その、――相手は何者なんじゃ」
「その穿鑿は後のこと、いまは何より伯父上のお許しが出るか出ぬかが大事なのです、もしここで突放してしまえば、その人物は泥沼の底へ墜ち込んで、あたら一生を地獄の苦患に送らなければなりません。助けてやってください伯父上、人間一人を生かすも殺すも伯父上の方寸にあるのです、それも別に金が要るとか特別の世話をするとか云うのではなく、ただこの屋敷へ引取って、当分のうち面倒をみてくださればいいのです、決して御迷惑はかけませぬから」