Classici giapponesi con furigana
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よめとりむことり
嫁取婿取
佐々木 邦
Leggi 嫁取婿取 (よめとりむことり) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 85.654 caratteri · 175 schermate
山下さんも二郎君が目下の大屈託だ。三男の雅男君は中学の四年生だから、来年は高等学校を受ける。この方は今までのところ申分ない。
「お前も法科をやるかい?」
「はあ。しかし官吏になります」
とハキ/\していて、お父さんの期待以上のことを言う。二人一緒に入学試験を受けて、弟が合格、兄貴が落第というようなことになっては困る。しかしその懸念の為め弟の方を一年待たせるのも馬鹿げている。それやこれやで思い悩んでいるのだが、二郎君は一向平気だ。
「二郎、一寸お入り」
と山下さんは或晩書斎から呼んだ。縁側を通る姿が見えたので、丁度考えていた折から一つ訓戒を加える気になったのである。
「はあ」
と二郎君は命に従った。
「何うだね? この頃は勉強しているかい?」
「したりしなかったりです」
「もう間もなく此年も暮れるが、決心がついたかい?」
「はあ」
「本気になってやるかな?」
「早稲田をやります」
「私立はいけないよ」
「しかし僕は田舎の高等学校へ行きたくないんです。東京にいないと人生が分りません」
「豪いことを言うね」
と山下さんは自分の口癖に思い当って、覚えず相好を崩した。
「僕は物理や化学はもう厭です。