Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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よめとりむことり

嫁取婿取

佐々木 邦

Leggi 嫁取婿取 (よめとりむことり) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 85.654 caratteri · 175 schermate

Aozora Bunko

「はゝあ」

「何うぞ御覧下さい」

と俊一君は平塚君から来た手紙を封筒のまゝ渡した。

「来たんですか?」

と斎藤さんが訊いた。

「はあ。御心配をかけました」

「しかし丁度好い都合でしたな」

「この手紙丈けには手品もなかろう。お前の留守中に着いたんだから」

と山下さんは一寸皮肉を言った。口上手の斎藤さんに丸められたのが口惜しかったのである。斎藤さんも形勢を察した。即ち時計を出して見て、

「やあ。もう十一時過ぎている。山下君、僕はもう失敬する」

と慌て出したのである。

「まあ、宜いでしょう」

「いや、もう晩い」

「この上勝手を言って、お引き止めも出来ない義理だが、何うだね? もう少時」

「足元の明るい中に。ハッハヽヽヽ」

「それも然うだろうて。ハッハヽヽヽ」

「兎に角、御令息をお渡し申上げましたよ」

「有難う。御好意は忘れない。何れ改めてお礼に上りましょう」

と念使いの山下さんは尚お慎重の調査を必要と認めた。

しかし斎藤さんの口添えは充分の効果があった。山下さんは俊一君の無事な顔を見てから急に気が強くなって、その夜深更まで詮議を続けたが、縁談としては何の点からも申分なかった。

「高等学校時代からの親友ですから、平塚君の家のことなら何でも分っている積りです」