Classici giapponesi con furigana
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こをつれて
子をつれて
葛西 善蔵
Leggi 子をつれて (こをつれて) di 葛西 善蔵 (かさいぜんぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.970 caratteri · 34 schermate
鑵の凹みは、Yが特に、毎朝振り慣れた鉄唖鈴で以て、左りぎっちょの逞しい腕に力をこめて、Kの口調で云うと、「えゝ憎き奴め!」とばかり、殴りつけて寄越したのだそうであった。
「……K君そりゃ本当の話かね? 何でまたそれ程にする必要があったんかね? 変な話じゃないか。俺はYにも御馳走にはなったことはあるが、金は一文だって借りちゃいないんだからな……」
斯う云った彼の顔付は、今にも泣き出しそうであった。
「だからね、そんな、君の考えてるようなもんではないってんだよ、世の中というものはね。もっと/\君の考えてる以上に怖ろしいものなんだよ、現代の生活マンの心理というものはね。……つまり、他に理由はないんさ、要するに貧乏な友達なんか要らないという訳なんだよ。他に君にどんな好い長所や美点があろうと、唯君が貧乏だというだけの理由から、彼等は好かないというんだからね、仕様がないじゃないか。殊にYなんかというあゝ云った所謂道徳家から見ては、単に悪病患者視してるに堪えないんだね。機会さえあればそう云った目障りなものを除き去ろう撲滅しようとかゝってるんだからね。それで今度のことでは、Yは僕のこともひどく憤慨してるそうだよ。