Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きせつのないまち

季節のない街

山本 周五郎

Leggi 季節のない街 (きせつのないまち) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 201.379 caratteri · 394 schermate

Aozora Bunko

「乞食までしなければならないのはよくせきのことだよ」と花彦のかみさんは、「のんべ横丁」の同業者たちに云った、「それを一人で掻き集めて、銭儲けをしようなんてのは人間じゃないね、そんなやつにやるくらいなら、あたしはどぶへ捨てちまうよ」

その子供はこれらの危険をよく知っていた。残飯を呉れる店の人たちも、特に彼だけをひいきにしているわけではない、店を閉めようとしてあと片づけをしているときに、呼吸よくあらわれる者があれば、相手は誰でもそう差別はつけない、一と足おくれただけで、馴染みの店を他人に取られることも少なくないのだ。

さらにもう一つ。それらの店がいつもこころよく残飯を呉れるわけではない、ということを知っていなければならない。

かれらもまた、多くは経営が楽ではなく、苦しいやりくりをして店を張っている者が、――外見にかかわらず相当にあった。これらを一般に「水しょうばい」というらしいが、水しょうばいとなるとにんきが大切だそうで、どんなにふところが危機に直面していても、そんな内情はけぶりにもみせないのがこつであり、また危機を脱するちから杖ともなるという。――したがって一握りの残飯をやるにも、慈善の満足感ばかり味わっているわけではなく、「こっちもそれどころじゃないよ」