Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きせつのないまち

季節のない街

山本 周五郎

Leggi 季節のない街 (きせつのないまち) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 201.379 caratteri · 394 schermate

Aozora Bunko

どういきばってみても、その舌はこちら側へひき戻すことはできないし、お富さんがうんざりするのを防ぐ方法もなかった。

先生ってばおかしなひとだよ、とお富さんはティー・パーティーのときかみさんたちに云った。こっちがせっかく面白い話をし始めると、きまってビスちゃんがどう云ったとか、やれビスちゃんならこうするとかって、うぬも知らなきゃわれも知らないような寝言を並べだすんだもの、誰だってお座がさめちゃうじゃないの、とんだ朴念仁だよ先生は。

この言葉が先生の耳に伝わるまでに、さして時間はかからなかったし、同時に先生の恋も終りのゴングを鳴らした。

ともらいマダムのときも、殆んど同じ経過をたどり、同じような結果になった。

ともらいというのはもちろん葬式の意味であり、マダムというのは例の蔑称で、本当の名はせい子であるが、また「おきちさん」というかげの呼び名もあった。――亭主は本田政吉といって、どこかの港で舟八百屋をしているそうだが、月に一度か、二た月に一度ぐらいしかあらわれない。小学三年生のじんという男の子があり、せい子はその子と二人の生計を自分でやりくっていた。

昔ほど普遍的ではないようだけれど、葬式には施餓鬼ということが行われた。