Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
きせつのないまち
季節のない街
山本 周五郎
Leggi 季節のない街 (きせつのないまち) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 201.379 caratteri · 394 schermate
「だからその本人を返してくれっていってるんだよ、先生」
「返してくれって、ぼくがおはちさんをどうかしてでもいるっていうのかね」
「いうのかねったって」治助はじれったそうに頭の毛を掻きむしった、「おれはね、こんにち唯今ここへ来たわけじゃねえんだよ、おはちの、いや、おはつのやつのようすがおかしいと気がついたのは二た月もめえのことで、おれとしちゃあじっくり思案した、おれは眠れるかな、と幾十たびも考えてみたが、おれは眠れねえようなことはなかった、けれどもおかしいなと気がついたこともたしかで、おれが眠れねえようなことがないにしろ」
「まあきみ、治助くん」と先生が制止した、「話を簡単にしようじゃないか、え、きみがいうのはおはちさんを返せということだろう、ぼくはまたぼくで、おはちさんを」
「おはつだってばな」
「その人を伴れて来れば簡単明瞭だといってるんだ、え、だからその本人をここへ伴れて来るのがいちばん先のことじゃないか」
「先生はおれの頭をどうにかしようっていうんだな」
「きみの頭をどうするんだ」先生はついに声を尖らせた、「きみのいう本人はきみの妻だろう、自分の妻のふしだらをぼくのところへねじこむのなら、その本人である妻をだ、亭主であるきみが伴れて来るのは当然じゃないか、そうじゃないか治助くん」