Classici giapponesi con furigana
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うちゅうせんぺい
宇宙尖兵
海野 十三
Leggi 宇宙尖兵 (うちゅうせんぺい) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 35.974 caratteri · 72 schermate
魚戸の話によると、まだほんの僅かの人工重力しか掛っていないそうだが、それでもその効果は大したもので、滑ってころんだり卓上のものが動きだしたり、栓をするのを忘れたインキ壺からとびだした雲状のインキが出会い頭に顔をインキだらけにするようなことは全くなくなった。大した力である。地球の上では、これまでに誰も重力の恩なんて考えた者はあるまいが、僕は今になって重力の恩に気がついた。
或る日、僕たちが倶楽部で朝食を摂りつつあったとき、遽ただしくイレネが入ってきた。
「みなさん、お食事中ですが、至急おしらせして置かなければならないことがありますので、お邪魔に伺いました」
と、イレネはいつになく慇懃に挨拶をした。
至急おしらせのこととは、何であろうか。僕たちはフォークとナイフを下に置いた。しかしイレネは、みなさんそのまま食事をお続け下さいともいわず、用件のことを話した。
「お気付の方もあることと思いますが、昨夜から本艇はすこし取込んでいます。艇員たちが忙しく通路を走ったり、物を搬んでいるのをごらんになった方もあろうと思います。事の起りは、本艇の針路が一昨日あたりからだんだんと自由を失ってきたことにあります」