Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

やもり

守宮

豊島 与志雄

Leggi 守宮 (やもり) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2180 caratteri · 5 schermate

Aozora Bunko

私の二階の書斎は、二方硝子戸になっているが、その硝子戸の或る場所に、夜になると、一匹の守宮が出て来る。それが丁度、私の真正面に当る。硝子戸から二尺ばかり距てて机が据えてあり、机の上に電気スタンドが置かれているので、夜の光をしたしんで飛んでくる虫は、大抵、真正面の硝子戸に集り、その虫を捕獲に来る守宮も、随って、真正面のところに姿を現わすことになる。

十センチほどの、年経た大きな守宮である。硝子戸の向側にとまっているので、私はその腹部から眺めるわけである。背中は褐色斑紋のある暗灰色の筈だが、腹部なので灰白色であり、既に多くの虫を呑んだと見えて、でっぷり脹らんで、時々大きく息をしている。四本の短い小さい足の五本の指を拡げて、指先の円い扁平なところで、ぴたりと硝子にくっついている。

紙切ナイフの先で、硝子のこちら側を、軽く撫でたり叩いたりしたくらいでは、彼はびくともしない。呑気なのか、大胆なのか、恐らく鈍感なのであろう。然し、少し大きめの蛾か昆虫かが来れば、それにじっと狙いをつけて、ぱっと飛びつき、口に銜えて、頭を振りながら激しく硝子にたたきつけ、相手が弱ってくるのを待って、徐ろに呑みこむのである。