Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あんごしたん

安吾史譚

坂口 安吾

Leggi 安吾史譚 (あんごしたん) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.351 caratteri · 23 schermate

Aozora Bunko

籠城後、島原農民の悲惨な運命を代弁するのにフシギはないが、その高税に苦しんで涙のかわくヒマもないという農民まで切支丹の信仰にもちこみ全滅に至らせたのが、むしろ矢文の文章と合せて奇怪であり、いかにも大人をまねてヘタな政治演説をぶつ中学生の政治狂の弁論のようだ。頭のよい少年の面影ではない。そして、高税に涙のかわくヒマもない農民をなぜ助けるように努めなかったか、それが少年四郎の考えならば、いかにも頭の悪い熱血的テロ少年で、末世に発生しやすい独裁思想のうけうりを、正しくて聡明な少年がやる筈はないものだ。

このように頭が悪くて、妙に演技には長じている知識犬の少年が天人になって衆望を博するような時に、良識は無力であり、良識の目は悲しくそれを見守るのがいつに変らぬ宿命であるかも知れぬ。

とにかく、彼の美貌がたとえ童貞マリヤに似ていたところで、天人という知識犬になって後の四郎は、妙に大人の垢にまみれて、威丈高で、熱狂的で、祖師をも食ろうという末世の坊主にも甚だ似ているようにしか考えられぬ。レシイナと小左衛門が事実に於て私の想定するような思想や目の持ち主ではなかったにしても、天人四郎と対照的にレシイナと小左衛門のような思想や目の持ち主を想定しなくては、どうしても救いのつけようがないのが私の考えである。