Classici giapponesi con furigana
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ほうせきしょう
宝石商
小川 未明
Leggi 宝石商 (ほうせきしょう) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 5265 caratteri · 11 schermate
宝石商は、気が狂わんばかりにあわてたのです。けれど、どうすることもできなかったのであります。一夜泣き明かしたすえに、
「もう一度、北の国へゆこう。そして、宝石を探してこよう。」と、彼は思いました。それよりほかにいい方法がなかったからであります。
宝石商は、この損をきっと償うだけの宝石をもう一度、北の国へいって集めてこなければならないと決心しました。彼の頭の中はそのことでいっぱいになりました。
彼は、昼も夜も、ろくろく眠らずに、宝石のことばかり考えて北の国にやってきました。
北の国は雪で真っ白でありました。そして、寒い風が吹いていました。町から、町へと歩きましたが、一度、自分の歩いた町には、もう珍しい宝石は見つかりませんでした。
すると、宝石商は、いまさら、失った赤・青・緑・紫の宝石が惜しくてしかたがなかったのです。夜も外に立って、そのことばかり考えていました。
このとき、青・赤・緑・紫の宝石が、夜の目にも鮮やかに、凍った雪の上に糸につながれたまま落ちていて輝いているのです。彼は、うれしさに胸がおどって、それを拾おうと駈け出しました。すぐ目の前に落ちていたと思った宝石のくび飾りは、いくらいっても距離がありました。