Classici giapponesi con furigana
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へやのなかをあるくいし
室の中を歩く石
田中 貢太郎
Leggi 室の中を歩く石 (へやのなかをあるくいし) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 940 caratteri · 2 schermate
長女の政子さんがまず石の動いているのを見つけた。
「あれ」
長男の政重さんが続いて石の怪異を見た。
「這ってらあ」
照美さんと政子さんがまず走り、政重さんと政隆さんがそれに続いて走った。そして、四人は二階へ逃げあがったが、妖石がその後で何をするかも判らないので、そのままにはいられなかった。そこで、そっと階段へおりて往って覗いた。その時石は赤い方の石が先頭に立って、室の中を廻っていたが、間もなく敷居の方へ往って、そこからぽとりぽとりと一つずつ縁側へ落ちはじめた。
この噂は何人云うとなしに外へ漏れて大評判になったので、野次馬が集まって来た。阿倍野署では捨てておけないので、山本家へ刑事をやって調べさした。山本家ではその石は、照美さんの兄の住吉区栄通一丁目の森岡安太郎さんが持って往ったと云ったので、刑事はまた森岡家へ往った。森岡家では、
「縁起が悪いから、そこの広場へ捨てた」
と云った。そこで刑事は石を捨てたと云う広場へ往った。そこには二三人の子供がいて、その石を拾って石蹴をして遊んでいた。