Classici giapponesi con furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Leggi 家 (いえ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 126.748 caratteri · 254 schermate
は茶盆をそこへ取出したお俊を笑わせた。
「俊」とお倉は娘の方を見て、「貰ったお茶が有ったろう」
「母親さん、あのお茶は最早駄目よ」とお俊はすこし顔を紅くした。
「お倉さん、番茶で沢山です。そんなに関って下さると、生家へ来たような気がしない……」とお種は快活らしく笑って、
「そう言えば、三吉も可笑しなことを言う奴だテ。私が豊世を連れて彼の宿まで逢いに行きましたら、何をまた彼が言出すかと思うと、何処も彼処も後家さんばかりに成っちゃった――なんて。私は怒ってやった」
「真実に、皆な後家さんのようなものですよ――でも、姉さんなぞは未だ好う御座んすサ。私を御覧なさいな。私くらい運の悪い者は無い――私は小泉へお嫁に来ましてから、旦那と一緒に暮したなんてことは、貴方の三分一も有りゃしません――留守、留守で、そんなことばかりしてるうちに一生済んで了いました」
染めずにいるお倉の髪は最早老婦のように白い。
不幸だ、不幸だと言いながら気の長いお倉の様子は、余計にお種をセカセカさせた。
お種は自分の生家を探すような眼付をして、四辺を眺め廻した。実は留守、お杉は亡くなる、宗蔵は他へ預けられている、よく出入した稲垣夫婦なぞも遠く成った。