Classici giapponesi con furigana
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よせとしばいと
寄席と芝居と
岡本 綺堂
Leggi 寄席と芝居と (よせとしばいと) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 26.084 caratteri · 52 schermate
武器携帯で芝居見物に出るなどは、おそらく現代人の思い及ばないところであろう。この朝も途中で二、三度、野犬と闘ったことを記憶している。
余談は措いて、さてその芝居の話であるが、春木座の「牡丹燈籠」は面白かった。ほとんど原作の通りで、序幕には飯島平左衛門が黒川孝助の父を斬る件りを丁寧に見せていた。この発端を見せる方が、一般の観客には狂言の筋がよく判る。燈籠の件りも悪くはなかったが、円朝の高坐で聴いたような凄味は感じられなかった。やはり円朝は巧いと、ここでも更に感心させられた。一座が上方俳優であるから、こうした江戸の世界の世話狂言には、台詞がねばって聴き苦しいのは已むを得ない欠点で、駒三郎と梅太郎の伴蔵夫婦などは最も困った。中幕の「三代記」は駒之助の三浦、梅太郎の時姫、九蔵の佐々木であったが、この中幕よりも通し狂言の「牡丹燈籠」の方が大体に於いて面白かった。
私は先月の半札を持参したから、木戸銭は三銭。弁当は携帯の食パン二銭、帰途に水道橋ぎわの氷屋で氷水一杯一銭。あわせて六銭の費用で、午前八時から午後五時頃まで一日の芝居を見物したのである。金の値に古今の差はあるが、それにしても廉いものであったと思う。