Classici giapponesi con furigana
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とみおかせんせい
富岡先生
国木田 独歩
Leggi 富岡先生 (とみおかせんせい) di 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.282 caratteri · 31 schermate
とおろおろ声で言った。
「イイエ決して気には留めません、何卒先生を御大切に、貴嬢も御大事……」終まで言う能わず、急いで門を出て了った。
その夜細川が自宅に帰ったのは十二時過ぎであった。何処を徘徊いていたのか、真蒼な顔色をしてさも困憊している様子を寝ないで待っていた母親は不審そうに見ていたが、
「お前又た風邪を引きかえしたのじゃアないかの、未だ十分でないのに余り遅くまで夜あるきをするのは可くないよ」
「何に格別の事は御座いません」と細川は何気なく言ってそのま自分の居間へ入った。母親はその後姿を見送ってそっと歎息をした。
五
その翌日より校長細川は出勤して平常の如く職務を執っていたが彼の胸中には生れ落ちて以来未だ経験したことのない、苦悩が燃えているのである。
もし富岡先生に罵しられたばかりなら彼は何とかして思切るほうに悶いたであろう、その煩悶も苦痛には相違ないが、これ戦である、彼の意力は克くこの悩に堪えたであろう。
然し今の彼の苦悩は自ら解く事の出来ない惑である、「何故梅子はあの晩泣いていたろう。自分が先生に呼ばれてその居間に入る時、梅子は何故あんな相貌をして涙を流して自分を見たろう。