Classici giapponesi con furigana
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とみおかせんせい
富岡先生
国木田 独歩
Leggi 富岡先生 (とみおかせんせい) di 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.282 caratteri · 31 schermate
先生何が何やら解らなくなって了った。其所で疳は益々起る、自暴にはなる、酒量は急に増す、気は益々狂う、真に言うも気の毒な浅ましい有様となられたのである、と拙者は信ずる。
現に拙者が貴所の希望に就き先生を訪うた日などは、先生の梅子嬢を罵る大声が門の外まで聞えた位で、拙者は機会悪しと見、直に引返えしたが、倉蔵の話に依ればその頃先生はあの秘蔵子なるあの温順なる梅子嬢をすら頭ごなしに叱飛していたとのことである、以て先生の様子を想像したまわば貴所も意外の感あることと思う。
拙者ばかりでなくこういう風であるから無論富岡を訪ねる者は滅多になかった、ただ一人、御存知の細川繁氏のみは殆ど毎晩のように訪ねて怒鳴られながらも慰めていたらしい。
然るに昨夕のこと富岡老人近頃病床にある由を聞いたから見舞に出かけた、もし機会が可かったら貴所の一条を持出す積りで。老人はなるほど床に就いていたが、意外なのは暫時く会ぬ中に全然元気が衰えたことである、元気が衰えたと云うよりか殆ど我が折れて了って貴所の所謂る富岡氏、極く世間並の物の能く通暁た老人に為って了ったことである、更に意外なのは拙者の訪問をひどく喜こんで実は招びにやろうかと思っていたところだとのことである。