Classici giapponesi con furigana
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かんちゅうたいがくき
寒中滞岳記
野中 至
Leggi 寒中滞岳記 (かんちゅうたいがくき) di 野中 至 (のなかいたる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8295 caratteri · 16 schermate
然るに荷物の整理いまだその緒に就かざるを以て、観測所の傍らの狭屋に立場もなきほど散乱したる荷物を解き、整理を急ぐといえども、炊事を為す暇だになければ、気象学会より寄贈せられたる鑵詰を噬りて飢を凌ぎ、また寒気次第に凜冽を加うるといえども、器具散乱して寝具を伸ぶべき余地なく、かつ隔時観測を為しつつあるを以て、睡眠の隙を得ず、加うるに意外の寸隙より凜冽なる寒気と吹雪との侵入烈しきを以て、これを防ぐに忙わしく到底睡眠せんと欲するも能くすべからず、予は時なお十月初めなれば、かくまでにあるべしとは想わざりしに、実に意想外の事のみなれば、この前途如何にあるべきかといささか心痛せしが、ここぞ勇を奮うべき時ぞと奮発し、幸い近所合壁はなし、ただ一人故障をいう者もなければ、それより昼夜の嫌いなく、鼻歌など謡いつつ、夜を日に継ぎて、ガチガチコツコツと、あるいは棚を釣り、薪を割り、殆んど十二、三日間、征衣のまま昼夜草鞋を解かず、またその間にはしばしば降雪に遇い、ために風力計凝結して廻転を止むるや、真夜中に斫るが如き寒冽なる強風を侵して暗黒裡に屋後の氷山に攀じ登り、鉄槌を以て器械に附着したる