Classici giapponesi con furigana
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えいがじだい
寺田寅彦随筆集 第二巻
寺田 寅彦
Leggi 寺田寅彦随筆集 第二巻 (えいがじだい) di 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 207.099 caratteri · 419 schermate
いやだいやだと思う。室いっぱいに取り散らした荷物を見るとやはり国へ帰りたい念が強く起こる。今宿へ払う金が十円ばかりある。これで、きょう思い切って帰ろうとしきりに思う。しかし国へ帰っても自分のうちへ帰るのではない――兄と嫂の家――苦しい事は同じだ。私は自分をどうする事もできない。しかし私はこうしていても、ついには田舎で貧しくとも静かに生活するという、私が自分を省みてのただ一つの望みが満たさるる時が来る事はないように思われる。この望みが、もう全く活力のない私を自分に捨てかねる原因になっている。こんな望みもなくなってほしい。前途が全く暗くなってしまったら、とこんな事を思ってポカンとしていると、弟が来てくれた。そしてただもうなんという事なしに移ってしまった。」
「夜弟と叔父さん所へ行く。こいつはもうだめだと思いながら、そのものに対する責任は尽くして行くといったような態度や弱き者に対する軽侮の笑いに対しては、生きている私は屈辱を感ぜずにはいられなかった。」
私はここまで読んだ時に、当時の自分のどこかに知らぬ間に潜んでいた弱点を見抜かれたような気がして冷や汗が流れた。