Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しょうぐん

将軍

芥川 竜之介

Leggi 将軍 (しょうぐん) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.852 caratteri · 31 schermate

Aozora Bunko

それから、――急にため息を洩らした。

室の壁にはどこを見ても、西洋の画の複製らしい、写真版の額が懸けてあった。そのある物は窓に倚った、寂しい少女の肖像だった。またある物は糸杉の間に、太陽の見える風景だった。それらは皆電燈の光に、この古めかしい応接室へ、何か妙に薄ら寒い、厳粛な空気を与えていた。が、その空気はどう云う訣か、少将には愉快でないらしかった。

無言の何分かが過ぎ去った後、突然少将は室外に、かすかなノックの音を聞いた。

「おはいり。」

その声と同時に室の中へは、大学の制服を着た青年が一人、背の高い姿を現した。青年は少将の前に立つと、そこにあった椅子に手をやりながら、ぶっきらぼうにこう云った。

「何か御用ですか? お父さん。」

「うん。まあ、そこにおかけ。」

青年は素直に腰を下した。

「何です?」

少将は返事をするために、青年の胸の金鈕へ、不審らしい眼をやった。

「今日は?」

「今日は河合の――お父さんは御存知ないでしょう。――僕と同じ文科の学生です。河合の追悼会があったものですから、今帰ったばかりなのです。」

少将はちょいと頷いた後、濃いハヴァナの煙を吐いた。