Classici giapponesi con furigana
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こはるのきつね
小春の狐
泉 鏡花
Leggi 小春の狐 (こはるのきつね) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.102 caratteri · 27 schermate
……私はその時は前夜着いた電車の停車場の方へ遁足に急いだっけが――笑うものは笑え。――そよぐ風よりも、湖の蒼い水が、蘆の葉ごしにすらすらと渡って、おろした荷の、その小魚にも、蕈にも颯とかかる、霜こしの黄茸の風情が忘れられない。皆とは言わぬが、再びこの温泉に遊んだのも、半ばこの蕈に興じたのであった。
――ほぼ心得た名だけれど、したしいものに近づくとて、あらためて、いま聞いたのである。
「この蕈は何と言います。」
何が何でも、一方は人の内室である、他は淑女たるに間違いない。――その真中へ顔を入れたのは、考えると無作法千万で、都会だと、これ交番で叱られる。
「霜こしやがね。」と買手の古女房が言った。
「綺麗だね。」
と思わず言った。近優りする若い女の容色に打たれて、私は知らず目を外した。
「こちらは、」
と、片隅に三つばかり。この方は笠を上にした茶褐色で、霜こしの黄なるに対して、女郎花の根にこぼれた、茨の枯葉のようなのを、――ここに二人たった渠等女たちに、フト思い較べながら指すと、
「かっぱ。」
と語音の調子もある……口から吹飛ばすように、ぶっきらぼうに古女房が答えた。