Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こはるのきつね

小春の狐

泉 鏡花

Leggi 小春の狐 (こはるのきつね) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.102 caratteri · 27 schermate

Aozora Bunko

「ああ、かっぱ。」

「ほほほ。」

かっぱとかっぱが顱合せをしたから、若い女は、うすよごれたが姉さんかぶり、茶摘、桑摘む絵の風情の、手拭の口に笑をこぼして、

「あの、川に居ります可恐いのではありませんの、雨の降る時にな、これから着ますな、あの色に似ておりますから。」

「そんで幾干やな。」

古女房は委細構わず、笊の縁に指を掛けた。

「そうですな、これでな、十銭下さいまし。」

「どえらい事や。」

と、しょぼしょぼした目をった。睨むように顔を視めながら、

「高いがな高いがな――三銭や、えっと気張って。……三銭が相当や。」

「まあ、」

「三銭にさっせえよ。――お前もな、青草ものの商売や。お客から祝儀とか貰うようには行かんぞな。」

「でも、」

と蕈が映す影はないのに、女の瞼はほんのりする。

安値いものだ。……私は、その言い値に買おうと思って、声を掛けようとしたが、隙がない。女が手を離すのと、笊を引手繰るのと一所で、古女房はすたすたと土間へ入って行く。

私は腕組をしてそこを離れた。

以前、私たちが、草鞋に手鎌、腰兵粮というものものしい結束で、朝くらいうちから出掛けて、山々谷々を狩っても、見た数ほどの蕈を狩り得た験は余りない。