Classici giapponesi con furigana
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ろうじゅうのめがね
小笠原壱岐守
佐々木 味津三
Leggi 小笠原壱岐守 (ろうじゅうのめがね) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 57.249 caratteri · 115 schermate
――それじゃ。屹度それじゃ、その古着の夜具に何ぞ曰くがあろうと思い当りましたゆえさすがは出家、さそくに運び出させて仔細に見しらべましたところ――、別に怪しいことはない。ないのに魘されたり、狂い出したり、あげ句の果てに身投げなぞする筈があるまいと一枚々々、夜具の皮を剥がしていってよくよくしらべますると、ぞっといたします。申しあげる手前までがぞっと致します。古着の敷布団の、その一枚の丁度枕の下になるあたりの綿の中から、歯が出て来たと言うので厶りまする。人が歯が、何も物言わぬ人の歯がそれも二枚出て来たと言うので厶ります」
「なにっ。歯が二枚とな! 歯とのう! 人の歯とのう! ……」
ぎょっと水でもあぴたように長国の声がふるえて疳走った。
鬼火のように青あおと燃えていた月光がふっと暗くかげった。――同時である。何ぞ火急のしらせでもあると見えて、キイキイと書院の廊下の鶯張りを鳴らせ乍ら一足が近づいて来ると、憚り顔に声がのぞいて言った。
「茶坊主世外めに厶ります。御老臣伴様が、殿に言上せいとのことで厶りました。もう三日もこちら一睡も致さず論議ばかり致しておりましたせいか、人心地失いまして、よい智慧も浮びませぬゆえ、まことに我まま申上げて憚り多いことで厶りまするが、ひと刻程睡りを摂らせて頂きましてから、今度こそ必ずともに