Classici giapponesi con furigana
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ろうじゅうのめがね
小笠原壱岐守
佐々木 味津三
Leggi 小笠原壱岐守 (ろうじゅうのめがね) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 57.249 caratteri · 115 schermate
わざわざ名乗ったばっかりに、斬り手の名は分る、配符は廻る、われわれ一党の素性も知られる、市中では、もう三尺の童子までわれわれを毛虫のように言いそやしておりますよ」
「阿呆! 名乗って斬ったがなんの不足じゃ、頼まれて斬ったればこそ、出所進退をあきらかにして斬ったじゃないか。直人が心底憎くて斬るときはかれこれ言わん。黙って斬るわい」
争っているその声をおどろかして、シャン、シャンと、いぶかしい馬の鈴の音が、かすかに境内の向うから伝わった。怪しむように、ふりかえったふたりの目の前へ、金丸が勢いこんで飛びこんで来たのである。
「道があけた! 先生すぐお出立のお支度なさいまし! ――小次も早く支度しろ」
「逃げられそうか!」
「大丈夫落ちられる! 東海道だ。どういう間違か、ひょんな噂が伝わってのう。先生らしい風態の男が、同志二人とゆうべ亀山口から、東海道へ落ちたというんじゃ。それっというので、海道口の固めが解けたのよ。このすきじゃ。追っ手のあとをあとをと行くことになるから、大丈夫東京へ這入られる。――かれこれと駄々はこねんというお約束です。道中、お歩きもなるまいと思うて、こっそりと駅馬を雇うて参りました。