Classici giapponesi con furigana
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しょうせつ えんちょう
小説 圓朝
正岡 容
Leggi 小説 圓朝 (しょうせつ えんちょう) di 正岡 容 (まさおかいるる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 163.270 caratteri · 325 schermate
有耶無耶に流れてくるなんともいえない花の匂い。
「……」
大きく息を吸いながら小圓太は無心に竹箒の先を動かしていた。
ポチャンと水の音がした。と見るとすぐ目の前の五色の雲を映している青澄んだ池のおもてに、緋鯉が跳ねたのだろう大きな渦巻が重なり合ってはみだれていた。いつか母屋からよほど離れたこんな池のふちのところまで掃き寄せてきていたのだった。
「サ、もうひと息、池の向こうを掃きや……」
尚もせわしなく竹箒を動かしはじめようとしたとき、
アツ、だしぬけにドーンと腰の番を突かれた。そういってもべら棒に烈しく突き飛ばされた。フラフラフラと身体の中心を失い思わず前へのめっていったときツルリ小圓太右足を踏み滑らした。
「ア、アーッ」
もうどうすることとてできなかった。彩雲ただよっている水のおもてが、たちまち大きく自分の目の中へ入ってきた。とおもう間にツツツツツ、ドブーン。雲掻きみだして青い池の真っ只中をアプアプ小圓太は泳いでいた。
「イ、いけない」
プーッと泥臭い水を吐きだすと、ようやくのことで竹箒片手に池から這い上がってきた。一帳羅の黒紋付が見るかげもなくぐしょぐしょだった。