Classici giapponesi con furigana
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しょうせつ えんちょう
小説 圓朝
正岡 容
Leggi 小説 圓朝 (しょうせつ えんちょう) di 正岡 容 (まさおかいるる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 163.270 caratteri · 325 schermate
しどろもどろ。てんで型にも何にもなっちゃいなかった。
今晩これぎりと果太鼓とともに御簾が下ろされたとき圓朝は、穴あらば這入りたや、ベットリ冷汗で身体中を濡らしていた。
「オイ思ったより妙でねえな」
「ウム。しかしこれ圓朝かなあ。俺、前に聴いたときもっと巧えとおもったんだがなあ。別の奴かもしれねえぜ」
ぞろぞろ下足の方へ立っていく客の群れの中から、こんな聞こえよがしの高ッ調子がまだ高座のまん中で手を突いたまんまでいる圓朝の耳へ鋭く痛く刺ってきた。
無理はない、演っているこの私でさえ、じれったいほどまるで調子がでてこないんだもの。ことさらにあとからあとから冷汗の身体全体へ滲みだしてくることが仕方がなかった。
まあ仕方がない明日を聴いて貰おう。
僅かに自分で自分をこう慰め人に顔を見られるのもいやな思いでスゴスゴ圓朝は楽屋へ下りてきた。
翌晩がきた。
何たるこったろう、今夜もまた、師匠は圓朝が演るはずの「繋馬雪陣立」をそっくり演っていってしまった。――拠所なく雪の道具だけに講釈で聴いて覚えていた「鉢の木」をいい加減にでっち上げて、どうやらこうやらお茶を濁した。