Classici giapponesi con furigana
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しょうせつ えんちょう
小説 圓朝
正岡 容
Leggi 小説 圓朝 (しょうせつ えんちょう) di 正岡 容 (まさおかいるる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 163.270 caratteri · 325 schermate
でも――でも、なろうことなら圓朝、大恩ある師匠の上をこれッぱかしでも怨みたくはなかった。そっと何とか自分の胸を撫で摩って、怨めしさを塗り潰して置きたかった。
そう、そうだ、師匠はこの私を励ましてやろうと、それでワザとああした真似をおしなさるんだ。
そう、そう、それそれ、それにちがいない。やっとそういう考え方に思い至って一瞬、怨めしさは影を秘め、心に真如の月澄まんとしたが、
「……だが……だが……」
もったいないが澄みかけた天水桶のその水は、すぐまたそばから濁ってきて、月かげ隠す薄雲とはなることが仕方がなかった。心の澱――それが消そうとすればするほど、却って一杯にひろがってきてしまうのをどうすることもできなかったのだった。
いっそ圓朝は寂しくなった。
三
いつとしなく僻んでいこうとするこの心。
暗く寥しく愚痴っぽく、次第に下らなくなっていこうとするこの自分の心。
継っ子根性てのがこれだろう。
いけない――とおもった、圓朝。
少なくともいまは、この私という人間のいの一番の振り出しにあたっては、いやが上にも明るい了見で出立たなければならないのに。