Classici giapponesi con furigana
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しょうせつ えんちょう
小説 圓朝
正岡 容
Leggi 小説 圓朝 (しょうせつ えんちょう) di 正岡 容 (まさおかいるる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 163.270 caratteri · 325 schermate
下足番の声なつかしき大入り客止めの寄席の春が、再びそこに開花しよう、展開されよう、その念願の春立つ日まで、苦しんで苦しんで苦しみ抜いて、きっと私は勝ち抜いてやろう。
いま十何年ぶりで圓朝は純情小圓太の昔に還った思いがした。いや、少なくともあの純情という紺絣を取り戻し、抱きしめ、初々しく身に着けている、何とも晴れ晴れしい心地がした。勇気百倍。凜々としたものが、はち切れそうに身体全体へ満ち満ちてきた。辺りの闇を眺め廻した。
それにしても……それにしてもこの自分は、顧みればいままでたいていの身にふりかかる災難の火の粉を常に真心の纏もて縦横無尽に振りしだいては、ひとつひとつそれを幸の景色にまで置き変えてきていた。悪しと身の毛を殺たせたことは、のちにはこれことごとく次なる幸福へ到る段階のものばかり。今夜またこの江戸中がほとんどどうなってしまうか分らないという一大動乱までが、はしなくもこの自分の芸の上に、いま大きな大きないい変り目を与えてくれている。しかもその変り目、一番目から二番目への、あのチョーンという木頭のそれよりもっと頼もしい素晴らしい変り目ではないか。