Classici giapponesi con furigana
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しょうせつ えんちょう
小説 圓朝
正岡 容
Leggi 小説 圓朝 (しょうせつ えんちょう) di 正岡 容 (まさおかいるる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 163.270 caratteri · 325 schermate
「……」
ややしばらく仰向けにジーッと目を閉じたまま義兄の言葉に聞き入っていた次郎吉は、やがてクリッとした両眼を見ひらくと、
「つまらないんでさ。その日その日が私ァつまらなくてつまらなくて仕方がないんでさ。だからこんな病気になんかなっちまうんでさあ」
悲しく不貞腐れてといおうにはあまりにもキッパリと、
「エエいまだから皆正直にいっちまいますよ、ねえ兄さん。ほんとにこればかりはいくら兄さんになぐられても叩かれてもどうにもならないことなんだけれど、この私という人間は好きなことのほか一切何もかもしたくないんでさ。またいくらやったって無駄だとおもうんだ。ねえ、ねえ、あなたもそうおもいませんかね、ほんとに」
いいながらもさらにまた一段とその決意を深めていくような様子だった。
「……ウーム……」
あまりにもほんとうの心の底を隠すところなく告げられて、さすがに玄正は一瞬、言句に詰まってしまった。
「……ウーム……」
もういっぺんまた唸って、
「ではお前……」
いつになくナンドリと相談するように、
「何になら、なってみたいのだ」
玄正は訊ねた。
「芸人でさあ、だから」
待ち兼ねたように次郎吉はいった、何を分り切ったことをといわないばかりに。