Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しょうせつ えんちょう

小説 圓朝

正岡 容

Leggi 小説 圓朝 (しょうせつ えんちょう) di 正岡 容 (まさおかいるる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 163.270 caratteri · 325 schermate

Aozora Bunko

引き受けさせられるのは前例のない速さだとされた。天にも昇る心地してさっそく湯島の両親のもとへ報せてやった。

何よりも母のおすみが喜んだ。

「今度こそお前、あの子も本物になったよ」

こういっておすみが顔を燦かせると、

「ほんにほんに。芸は芸でも絵師ならどんなにか世間体もよいし。でもまあ母上、真実にようござりました」

報せに駈けつけてきた玄正も幾度か他人事ならず嬉しそうにひとり肯いたりした。

しっかりやっておくれ、兄さんも大へんにお喜びなのだから――間もなく母からは心をこめた激励の手紙さえ届けられてきた。さすがに次郎吉、うれしくないことはなかった。ばかりか、心が弾み立った。

俺しっかりやる。

たとえ雪ばかり描くんだって、兄弟子さんたち二人に、きっと負けないようやってみせら。

キッと唇を噛みしめて、次郎吉は心に誓った。

……その日がきた。

上からは照る、下からは蒸すとよく講釈師がいうような烈しいあぶらでり。朝のうち、曇っていまにも降るかと見せたのがまたいつか雲が絶え、どうやら天気が持ち直してきた。で、いっそう暑さがしつこくジリジリしてきた。

暑さで気が狂いそうだといって師匠の国芳は、朝から素ッ裸で冷やした焼酎ばかり傾けては、ボリボリ薄青い胡瓜を丸齧りにしていた。