Classici giapponesi con furigana
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しょうどしま
小豆島
黒島 伝治
Leggi 小豆島 (しょうどしま) di 黒島 伝治 (くろしまでんじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 1606 caratteri · 4 schermate
用事があって、急に小豆島へ帰った。
小豆島と云えば、寒霞渓のあるところだ。秋になると都会の各地から遊覧客がやって来る。僕が帰った時もまだやって来ていた。
百姓は、稲を刈り、麦を蒔きながら、自動車をとばし、又は、ぞろ/\群り歩いて行く客を見ている。儲けるのは大阪商船と、宿屋や小商人だけである。寒霞渓がいゝとか「天下の名勝」だとか云って宣伝するのも、主に儲けをする彼等である。百姓には、寒霞渓が、なに美しくあるものか! 「天下の名勝」もへちまもあったものじゃない。彼等は年百年中働くばかりである。食う物を作りながら、常に食うや食わずの生活をしている。
僕の親爺は百姓である。もう齢、六十にあまって、なお毎日、耕したり、肥桶をかついだりである。寒い日には、親爺の鼻さきには水ばなのしずくが止まっている。時々それがぽとりと落ちる。
帰って、──いつも家へ着くのは晩だが、その翌朝、先ず第一に驚くことは、朝起きるのが早いことである。五時頃、まだ戸外は暗いのに、もう起きている。幼い妹なども起される。──麦飯の温いやつが出来ているのだ。僕も皆について起きる。そうすると、日の長いこと。