Classici giapponesi con furigana
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しょうしょうしげもとのはは
少将滋幹の母
谷崎 潤一郎
Leggi 少将滋幹の母 (しょうしょうしげもとのはは) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 83.234 caratteri · 160 schermate
その時分、彼は夜な/\乳人に抱かれて眠ったのであったが、乳人は彼がいつ迄も母の名を呼んで泣き止まないのに当惑して、
「さあ/\、おとなしくお眠み遊ばせ。お母さまはこゝにはいらっしゃいませんけれども、そう遠くない所にいらっしゃるのですよ。おとなしくしていらっしゃれば、きっとお母さまの所へ連れて行って上げますよ」
と、そう云ったので、幼い滋幹はたとえようもなく嬉しくて、
「ではいつ?」
と、聞くと、
「そのうちに」
と、云うのであった。
「きっとだね」
「きっとでございます」
「きっと、きっと?―――うそではないね」
こんな問答を毎夜のように繰り返しつゝ寝かされながら、乳人はあゝ云っているけれども、気休めに云うのであろうと、子供心に疑いを挟んでいたのであったが、それでも乳人はそのことについて讃岐と話し合ったものらしく、或る日ほんとうに、讃岐が彼の手を引いて母の所へ連れて行ってくれたのであった。が、幼童の記憶と云うものは全くたわいのないものなので、どう云う訳か、そんな大事の日のことを、まるきり彼は思い出すことが出来ないのである。彼の記憶は古い映畫のフィルムのようにきれ/″\で、前後につながりのない場面々々が、或るものはぼんやりと、或るものは怪しいほどくっきりと、映像をとゞめているのであるが、それらの数々の映像のうちで、今もしば/