Classici giapponesi con furigana
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あきかぜとはは
尾崎士郎短篇集
尾崎 士郎
Leggi 尾崎士郎短篇集 (あきかぜとはは) di 尾崎 士郎 (おざきしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 108.032 caratteri · 216 schermate
ある日の午後、こっそり伍一の家へやってきた。「このままにしてほうっておいたら何時までつづくかも知れませんよ、――それに丈ちゃんだって一生涯かくれているというわけにはゆかないんだから」
と、彼は家に残ったものの迷惑を考えないで勝手に逃げ廻っている丈吉に対する非難をまじえた言葉をもらしながら何とかして自首させる工夫はあるまいかと考えあぐんでいる様子だったが、伍一あてに届いた大阪の友人からの、「ニモツトドイタアンシンセヨ」という電報を見ると、急に悲壮な気もちになり、
「どうでしょう、――いっそのこと支那へでも逃げてしまったら」
と、ひとりごとを言ったりするのであったが、しかし、次第に追求が烈しくなるにつれてやっぱり丈吉に自首させるよりほかに仕方がないということに彼の一家の意見が一致してくると、多吉は、自分にも多少心あたりがあるからと、刑事をうまく説き伏せて伍一から旅費をうけとり一人で大阪へ立っていったが、二、三日経つと丈吉とつれだってかえってきた。
彼以外の民間関係者がことごとく挙げられたという新聞の報道がもう逃げ場所のなくなっていることを観念させたらしく、丈吉はその夜、伍一の家で別れの小宴をひらいたときにも、前とはがらりと変ったあかるい調子で逃亡中につくったという漢詩風の文章を読みあげたりして愉快そうにはしゃい