Classici giapponesi con furigana
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やまのてのこ
山の手の子
水上 滝太郎
Leggi 山の手の子 (やまのてのこ) di 水上 滝太郎 (みなかみたきたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.551 caratteri · 31 schermate
私はまた何をしても敵いそうもない喧嘩早い子供たちを恐いとは思いつつも窮屈な陰気な家にいるよりも誰に咎められることもなく気儘に土の上を馳け廻るのが面白くて、遊びに疲れた別れ際に「明日もきっとおいで」と言われるままに日ごとにその群れに加わった。
私たちの遊び場となったのは熊野神社の境内と柳屋という煙草屋の店先とであった。柳屋の店にはいつでも若い娘が坐っていた。何という名だったか忘れてしまったけれども色白の肥った優しい女だった。私は柳屋の娘というと黄縞に黒襟で赤い帯を年が年中していたように印象されている。弟の清ちゃんは私が一番の仲よしで町ッ子の群れのうちでは小ざっぱりした服装をしていた。そして私と清ちゃんが年も背丈も誰よりも小さかった。柳屋の姉弟にはお母さんがなく病身のお父さんが、いつでも奥で咳をしていた。店先には夏と限らずに縁台が出してあったもので、私たちばかりか近所の店の息子や小僧が面白ずくの煙草をふかしながら騒いでいた。
「あいつらは清ちゃんの姉さんを張りに来てやがるんだよ」
と言う金ちゃんの言葉の意味はわからぬながらも私は娘のために心を配わした。