Classici giapponesi con furigana
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やまのあき
山の秋
高村 光太郎
Leggi 山の秋 (やまのあき) di 高村 光太郎 (たかむらこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7435 caratteri · 15 schermate
平常つまらないと思っていたあわれな蔓草までも威厳をもって紅葉する。
名月は大てい十月初旬だが、うまい月の位置があるもので、ちょうど人間が空を仰ぎ見るのに都合のいい角度で空にあらわれる。わたくしの小屋のあたりから見ると、北上山系の連山、早池峯山の南寄りの低い山のあたりからのぼりはじめ、一晩かかって南の空を秋田境の連山までゆるゆるとわたる。塵ひとつないきれいな空だから思いきりあかるい。風呂に入れば湯ぶねの中にも月光はさし、野に出ればススキの穂波が銀にきらめく。まったく寝るのが惜しくなって、わたくしはよくその光にぬれて深夜まで人っ子ひとり居ない野や山を歩いたものだ。小屋にかえれば西瓜を割ったり、うで栗をむいたり、里芋をたべたりした。そんな晩に一度か二度美しい狐にあったこともある。紅葉がそろそろ散りはじめ、月もだんだんかけてくると、いよいよ茸の季節となる。
この辺で秋の茸のいちばん早いのはアミノメという茸である。これは傘のうらにひだがなくて、小さな孔が無数にあり、網の目のようになっている茸であるが、小屋のまわりのハンの木などの根もとの落葉の中にひょっこり見つかる。