Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

やぎひげへんしゅうちょう

山羊髯編輯長

夢野 久作

Leggi 山羊髯編輯長 (やぎひげへんしゅうちょう) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.441 caratteri · 102 schermate

Aozora Bunko

……と思うとその刑事は、さり気ない風情(ふぜい)で、郵便車の前に佇(たたず)みながら、改札口の方向を監視し始めた。四十恰好の眼の鋭いチャップリン髭(ひげ)を生やした男だ。

そのうちに下りの急行も着いたらしく改札口が次第にコミ合い初めた。駅員が三人で三処(みところ)の改札口を守っているが仲々捌(さば)き切れない。バスケットを差上げる田舎者。金切声を出して駈け出す令嬢。モシモシと呼び止める駅員。オーイオーイと帽子を振る学生なぞ。然し吾輩はソンナものには眼もくれないで刑事の眼付きを一心に注意していた。煙たそうに口付(くちつき)を吸いながら改札口を見守っているその眼付きを……。

するとその口付が半分も立たない中(うち)にポイと刑事の口から吹き棄てられた。同時に刑事がノッソリと郵便車の前を離れて、群集に混っているモウ一人の刑事らしい男とうなずき合った。群集の中のどれか一人を眼で知らせ合いながら……どこからか跟(つ)けて来た犯人をリレーしている気はいである。

吾輩はすぐに一二等改札口から引返して出口に向った。

見るとチャップリン髭の刑事は大急ぎで駅前の青電車(東邦電力経営)の方へステッキを振って行く。