Classici giapponesi con furigana
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やぎひげへんしゅうちょう
山羊髯編輯長
夢野 久作
Leggi 山羊髯編輯長 (やぎひげへんしゅうちょう) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.441 caratteri · 102 schermate
モット立派な部屋を見た事は何度もあるが、しかしそれは単に見ただけで泊った事は一度も無い事を念のため今一つ告白しておく。況んや、お玉みたような別嬪(べっぴん)と、同じ卓子(テーブル)でカクテルを傾けようなんて運命を、夢にも想像し得なかったのは無論であった。甚だ甘いところばかり告白して申訳ないが、事実は甚だ苦々しいんだから勘弁して頂きたい。
「ねえ御覧なさい。いい月夜じゃないの」
「ああ。博多湾ってコンナに景色のいい処たあ思わなかったね。玉ちゃん初めてかい」
「ええ。初めてよ。いわば商売讐(がたき)のアンタとコンナ処でコンナ景色を見ようなんて思わなかったわ。チイットばかりセンチになりそうだわ」
「――僕もセンチかミリになりそうだ。ねえ玉ちゃん。僕も実はスッカリ東京を喰い詰めちゃってね。はるばる九州クンダリまで河合又五郎をきめて来たんだ。そうしてタッタ今、玄洋新聞社に這入って、記事を取って来いって云われたもんだから、一気に飛び出して来たら君にぶつかっちゃったんだ」
「大変なものを自摸(ツモ)しちゃったのね」
「ウン、万一ヘマを遣ると君と一緒に新聞記事にされた上に、オマンマの種に喰付き損になるんだ」