Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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やぎひげへんしゅうちょう

山羊髯編輯長

夢野 久作

Leggi 山羊髯編輯長 (やぎひげへんしゅうちょう) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.441 caratteri · 102 schermate

Aozora Bunko

「今時そんな馬鹿な話があるもんじゃない。ねえ親方……」

「まったくなんで。永らく空いてるもんですからね。そんな事を云うんでしょう」

「ウン。是非買いたいんだが、どうだい。坪十円ぐらいじゃどうだい。裏庭を入れて百坪ぐらいは有るだろう」

「そんなには御座んせん。六十五坪やっとなんで。裏庭の半分は他所(よそ)のなんで……」

「向うの駄菓子屋のかね」

「そうなんで……十円の六十五坪の六百五十円……じゃチョット後家さんが手離さないでしょ。建物を突込んで千円位でなくちゃ」

「坪当り十六円か。安くないなあ」

「相場だと二十四五円のところですが」

「しかし八釜(やかま)しい曰(いわ)く附の処だからな」

「旦那は御存じなんで……」

「知ってるとも……迷宮事件だろう……怨みの火の玉が出るってな無理もないやね」

吾輩の頸動脈の処から親方がソッと剃刀を引いた。頬を青白く緊張さしてゴックリと唾液(つば)を嚥(の)み込んだ。

吾輩は少々面白くなって来た。どうもこれが悪い癖なんだが……。

「ねえ。そうだろう。何の罪も無い、ただお金をポチポチ溜めて、お神さんを養生させるだけが楽しみといったような仏性(ほとけしょう)のお爺さんが、怨みも何も無い、思いがけない人間から、思いがけない非道(ひど)い殺され方をしたんだからね。