Classici giapponesi con furigana
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いわなのかい
岩魚の怪
田中 貢太郎
Leggi 岩魚の怪 (いわなのかい) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4259 caratteri · 9 schermate
僧はあとの団子をはじめのようにもくりと口に入れて、それも一息にのみくだした。
僧が喫いだしたので彼等の手も団子に往った。そして、僧に聞えないような小さな声で、毒流しを中止するか決行するかに就いて相談しあった。
「やめるとするか、お坊さんの云うことじゃ」と、壮い男はその隣にいる前歯の一本無くなった顔の大きな男に囁いた。
「そんなことがあるもんか、坊主はいいかげんなことを云いよるよ」と、その顔の大きな男は嘲りの色を口元に浮めて、壮い男に囁きかえした。
団子が無くなったので盛相を開けて、そのの器に入れた粥飯などを喫いだした。顔の※い男は盛相の蓋に玄米で焚いてあるぐたぐたの飯を分け、起って熊笹の葉を二三枚執って来てそれにのっけて僧の前にだした。
僧は辞退をせずにまたその飯を喫いだした。僧の喫い方に好奇心のある壮い男はそっと僧の方を見た。僧は一箸飯を口に入れては、仰向いて咽喉をうねらして如何にも喫いにくそうにしたが、それでも一箸一箸と口に入れて往った。彼はあのお坊さんはおかしな物の喫い方をする人だなと思っていた。
飯がすむと皆谷へおりて往って水を飲んだ。犬のように流れの上に口を浸して飲む者もあった。