Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いわなのかい

岩魚の怪

田中 貢太郎

Leggi 岩魚の怪 (いわなのかい) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4259 caratteri · 9 schermate

Aozora Bunko

僧も村の人の後から谷へおりて往って岩の端に仰向き、菅笠を水に濡らさないようにと隻手を笠の縁にかけて、心もち顔を反らしながら口を流れに浸していた。

「おい、どないにする」と、顔の※い男は団子の鉢を麻布に包みながら云った。

「どないにするもんけ、やろうよ」と、顎髯の男が云った。

「お坊さんが、あんげに云うじゃないか」と、顔の※い男は迷うていた。

「生物を殺せと云う坊主はないぞ」と、顔の大きな男は傍からその男を見た。

「そりゃまあ、そうじゃ」と、顔の※い男が云った。

僧が岩を伝うてあがって来た。顔の大きな男はその方に注意しながら顎髯の男に云った。

「こんげにかまえができた後に、やめもできんし」

僧はあがって来て顎髯の男の前に立った。

「やっぱり毒流しをやるつもりかな」

「これから相談をして、やめるなりなんなりいたしますが、昨日からかまえをして今朝は今朝で二番鶏から起きて来ておりますし……」と、顎髯の男は云ったが腹の中では僧の詞を嘲笑っていた。

「お前さんは、どうもやるつもりらしいが、殺生をしてはいかん、魚でも人間でも、生命の欲しいことは一つじゃからな」

「私がひとり、どうと云うことはない、相談して皆がやめると云えば、やめても好い」