Classici giapponesi con furigana
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パリのうたうたい
巴里の唄うたい
岡本 かの子
Leggi 巴里の唄うたい (パリのうたうたい) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3746 caratteri · 8 schermate
彼等の決議
市会議員のムッシュウ・ドュフランははやり唄は嫌いだ。聴いていると馬鹿らしくなる。あんな無意味なものを唄い歩いてよくも生活が出来るものだ。本当に生活が出来るのかしら――こう疑い始めたのが縁で却ってだんだん唄うたいの仲間と馴染が出来てしまった。それに彼の生来の世話好きが手伝って彼はとうとう唄うたいの仲間の世話役になってしまった。
いま巴里には町の唄うたいが三百人ばかりいる。彼等は時々サン・ドニの門の裏町のキャフェに寄る。そこへははやり唄の作者や唄本の発行者も集って来て本の取引かたがた町のはやり唄に対する気受の具合を話し合う。それが次のはやり唄を作る作者の参考にもなる。彼等は繩張のことで血腥い喧嘩もよくする。
はやり唄は場末の家の建壊しの跡などへ手風琴鳴しを一人連れて風の吹き曝しに向って唄い出す。また高いアパルトマンの間の谷底のような狭い露路について忍び込んで来て、其処をわずかにのぞく空の雲行を眺めながらも唄う。幾つものアパルトマンの窓から、女や男や子供がのぞく、覗かないで窓の中でしんと仕事をしながら聴いていて手だけ窓から出し、小銭を投げてやる者もある。