Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こうだんし

巷談師

坂口 安吾

Leggi 巷談師 (こうだんし) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.894 caratteri · 22 schermate

Aozora Bunko

。観戦士というべし。私のは、ハッキリ、観戦屋。

私は腕に覚えがない。だから、よろず勝負ごと、顧客のもとめに応じて好みのものを観戦する。将棋名人戦、本因坊戦、スポーツ万端、よろず、やる。

私は将棋の駒の動き方を知ってるだけだ。いつか読んだ将棋雑誌の某八段の説によると、こういうのを六十二級というのだそうだ。唯識三年倶舎七年と云って、坊主が倶舎論を会得するには七年かかるそうであるが、これは人間の意識を七十五の名目に分類し、分類が微細にすぎてチットモわからず、七年かかることになっている。

将棋の方は、六十二級の上に九段があって、合計七十一。倶舎論に四ツ足りない。名目だけでも、将棋はすでに難解である。

私はそのドンジリ、六十二級というのに位置している。上位の七十の名目は、むなしく望見するだけで、まったく会得することが不可能であり、又の名を「三歩」というのだそうである。

六十二級を碁の場合に当てはめると、初段に六十二目おくことになる。そんな碁はない。しかし、ありうるのだ。勝負ごとの初心者ぐらい哀れなものはない。心眼をとぎすましても、わからない。心眼の持ちくされだから、私のような心眼の徒は、いたずらに心眼の曇ることもなく、ただ悲しまねばならない。