Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ききょらい
帰去来
Leggi 帰去来 (ききょらい) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.477 caratteri · 31 schermate
本屋を営んでいるものとばかり思い込んでいるらしい。けれども、原稿料にしろ印税にしろ、自分ひとりの力で得たと思ってはいけないのだ、みんなの合作と思わなければならぬ、みんなでわけるのこそ正しい態度かも知れぬ、と思ったりした。
母も叔母も、私の実力を一向にみとめてくれないので、私は、やや、あせり気味になって、懐中から財布を取り出し、お二人の前のテエブルに十円紙幣を二枚ならべて載せて、
「受け取って下さいよ。お寺参りのお賽銭か何かに使って下さい。僕には、お金がたくさんあるんだ。僕が自分で働いて得たお金なんだから、受け取って下さい。」と大いに恥ずかしかったが、やけくそになって言った。
母と叔母は顔を見合せて、クスクス笑っていた。私は頑強にねばって、とうとう二人にそのお金を受け取らせた。母は、その紙幣を母の大きい財布にいれて、そうしてその財布の中から熨斗袋を取り出し、私に寄こした。あとでその熨斗袋の内容を調べてみたら、それには私の百枚の創作に対する原稿料と、ほぼ同額のものがはいっていた。
翌る日、私は皆と別れて青森へ行き、親戚の家へ立寄ってそこへ一泊して、あとはどこへも立寄らず、逃げるようにして東京へ帰って来た。