Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ばくまついしんかいこだん

幕末維新懐古談

高村 光雲

Leggi 幕末維新懐古談 (ばくまついしんかいこだん) di 高村 光雲 (たかむらこううん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 1214 caratteri · 3 schermate

Aozora Bunko

二年越し掛かったのです。と、いうと、

「あれは、もう一つ同じのが出来ますまいか」

と塩田氏は重ねていう。私は、何をこの人はこの際こんなことを自分に訊くのかと思った。

「もう一つ同じものは出来ません。丸一年も精根をからしてやったものです。もう一度同じようなものを気息をくさくしてやる気はありません」

「どうも始末が悪いな。困ったな。……実は君のチャボが聖上のお目にとまったのだ」

といったなり、塩田氏はばたばたと駆けて行ってしまった。

やがて、聖上には御還御に相成りました。

で、私は会場に参り、前約通り、もはや用済みのこと故、自作を持って帰るつもりで行くと、会頭初め幹部の人々が立っていて、

「ちょっと、俟って下さい」という。松尾儀助氏が私に向い、

「先ほど、塩田氏がちょっとお話した事でしょうが、あなたのチャボが聖上のお目に留まり、御用品に遊ばさる旨仰せ出されたにつき、当会の光栄この上もないこととお受けを致しました。それでこの件はこの松尾がすべての責任を引き受け、若井とあなたとの間のことは充分な解決を附けますから、どうかそのおつもりに願う。何しろ、本会無上の光栄で、あなたに取っても名誉この上ないことである」