Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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まぼろしのその

幻の園

豊島 与志雄

Leggi 幻の園 (まぼろしのその) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6788 caratteri · 14 schermate

Aozora Bunko

「まあ、誰ですか。」

声と一緒に足音がしました。

「屏風の中で何をしているんです。」

私たちは息をつめました。ふと、身体中真赤になりました。どうにも仕様がなくて、私は逃げ出しました。みよ子も後から逃げてきましたが、私は知らん顔をして、籔の中にかけこみました。

その時私たちを叱ったのは、誰だったか覚えがありません。けれどそれは確かに祖母ではありませんでした。祖母なら叱りはしなかったろうと思います。

其後みよ子はやはり時々遊びに来ましたが、私たちの間には一脈の距てが出来ていました。そして彼女は小学校にあがるようになると、だんだん来なくなって、私はまた一人ぽっちになりました。

みよ子から遠のくにつれて、私の心は益々祖母に接近していきました。私をじっと眺めてる祖母の頭の美しい髪の毛が、かすかに神経質におののくのを、私ははっきり覚えています。

冬になって雪が積ると、私は竹馬を拵えてもらって、高い塀の上の綺麗な雪をとりに行くのが楽しみでした。下げてきた鋼のやかんに一杯雪をつめて戻ってくると、祖母はそれをゆるい火の上にかけて、雪解の水をわかし、それで玉露をいれるのでした。