Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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げんじゅつてんまたろう

幻術天魔太郎

野村 胡堂

Leggi 幻術天魔太郎 (げんじゅつてんまたろう) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.616 caratteri · 90 schermate

Aozora Bunko

――私の幻術は究理学(物理学)とは因縁をもっているが、お宗旨とは少しのかかわりもない」

「そううけたまわっては、よけいに修業したくなりました。どうぞ道人さま」

「よしよし、じゅうぶん教えもしようが、その前に、一つ二つ、気をつけておきたいことがある」

「どんなことでしょう。道人さま」

「まず、駿河太郎という名まえをあらためることだ。その名はお父上駿河大納言を思いださせて、なにかと不便だろう」

「なんと申したらよいでしょう、道人さま」

「天魔太郎はどうだ。将軍家光に天誅をくわえるのだ」

「ありがとうございます。道人さま」

「それから、幻術は天地の理法に則したもので、人に危害をくわえるのを目的とした術ではない。これを習得して、父の仇、将軍家光をとっておさえるためには、そのつぐないとしてまず百人の人を助けなければならぬ」

「百人の人?」

駿河太郎もおどろきました。

ひと口に百人といいますが人ひとりをすくうのさえ、この世の中ではよういなことではありません。

「ひとりのいのちを助けても、九族をすくうことがある。百人のいのちをすくうのも、けっしてむずかしいことではない」

「――――」