Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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げんじゅつてんまたろう

幻術天魔太郎

野村 胡堂

Leggi 幻術天魔太郎 (げんじゅつてんまたろう) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.616 caratteri · 90 schermate

Aozora Bunko

龍虎・水火

龍虎・水火

猫間犬丸のはなったトラは、大地をけたてて小石をとばし、さながら一団のほのおとなって、南のやぐらにちかづき、足場をふんで、いっきに頂上へとびつこうとします。

百錬の鏡をならべたような二つの目、ほのおをはくかとおもわれる口。それは身の毛もよだつおそろしさですが、天魔太郎それを見ると、ニッコと笑って、もういちどモエギの刀の下緒をとり、やぐらの下にかみつく大トラめがけてサッとほうりました。

「ワッ、こわいッ」

矢来のそとの女子供は、おもわず悲鳴をあげたのもむりはありません。

太郎の投げたモエギのひもは、二つ三つ宙におどると、たちまち十数メートルのリュウとなり、やぐらに半身をからませて、猛虎の上にカッとタライのような口をひらいたのです。

古木のようなリュウのからだは、半分ほどは雲にかくれて、ところどころにメラメラともえるほのお、トラはそれをむかえて、天地もくずれるばかりにほえたてますが、リュウの威力におじけづいたか、まもなくシッポをまいて、北のやぐら、猫間犬丸の足もとににげかえるのです。

それを追いすがると見せたリュウのからだは、いつのまにやらもとのモエギのひもになってスルスルスルと、天魔太郎の手にもどったのは見事でした。