Classici giapponesi con furigana
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げんじゅつてんまたろう
幻術天魔太郎
野村 胡堂
Leggi 幻術天魔太郎 (げんじゅつてんまたろう) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.616 caratteri · 90 schermate
それから宿直のさむらいたちをはじめ、お供のなかから、腕ききをよりだして三十人ばかり、上段の間を二重三重におっとりかこんで阿部豊後守忠秋が大将になり、
「ヤアヤア、上さまのおすがたをおかしたてまつるふとどきしごくの曲者、からめとって目にもの見せてくれよう。狐狸か変化か、魔法か妖怪か、キリキリ正体あらわしおれッ」
おそばの猛者たち、タスキ十字のおっとり刀。縁がわをふみならして、あたりの障子唐紙を、バタバタとたおし八方からふたりのニセ家光のいる、上段の間になだれこみました。
と見ると左がわの家光は、はやくも段をおりて、胸のあたりに印をむすぶと、みるまに猫間犬丸のすがたとなって、モウモウと立ちのぼる煙のなかにすがたをかくしましたが、のこるひとり、まん中にすわっている家光は、印もむすばず人相もかわらず、
「無礼ものッ、なんということをいたすのだ。近藤、水野、加賀爪、ひかえおらぬかッ」
いちいち名ざしでよびあげ、あたまごなしにしかりとばすのです。
「どうもへんだぞ」
「ほんものの上さまではないか?」
みだれ入った近臣たちも、不体裁なじぶんたちのようすと、家光のおちつきはらったようすを見くらべて、ただもうウロウロするばかりです。